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正の奇数の二乗の逆数の和を計算する。
最終更新日: Sun Aug 27 10:15:39 2023 +0900
はじめに
正の奇数の二乗の逆数の和
\begin{align} S &= \sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{(2n-1)^2}\label{eq:inverseoddsquare} \end{align}
を計算してみます。
ただし、
\begin{align} \sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{n^2} &= \frac{\pi^2}{6}\label{eq:zetatwo} \end{align}
はバーゼル問題なので既知とします。
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サクサクと計算
まず、(\ref{eq:zetatwo})式を奇数の部分と偶数の部分に分解します。すると…
\begin{align} \sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{n^2} &= \sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{(2n-1)^2}+\sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{(2n)^2}\nonumber\cr &= S+\frac{1}{4}\sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{n^2}\label{eq:firstform} \end{align}
と変形できます。よって、
\begin{align} S &= \frac{3}{4}\sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{n^2} \nonumber\cr &= \frac{3}{4}\cdot\frac{\pi^2}{6}\nonumber\cr &= \frac{\pi^2}{8}\label{eq:secondform} \end{align}
であることがわかります。$\blacksquare$
ちょっとした拡張
ちょっとだけ一般化して、「奇数の逆数を$s$乗した数の総和」を考えます。
まず、
\begin{align} \sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{n^s} &= \Gamma(s) \label{eq:gammafirst} \end{align}
とおきます。
ここで、前節と同様に…
\begin{align} \Gamma(s) &= \sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{(2n-1)^s}+\sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{(2n)^s}\nonumber\cr &= \sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{(2n-1)^s}-\frac{1}{2^s}\Gamma(s)\label{eq:gammafirstform} \end{align}
と変形できます。よって、
\begin{align} \sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{(2n-1)^s} &= \left(1-\frac{1}{2^s}\right)\Gamma(s)\nonumber\cr &=\frac{2^s-1}{2^s}\,\Gamma(s)\label{eq:gammafinal} \end{align}
と計算できます。$\blacksquare$
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まとめ
正の奇数の逆数の$n$乗の逆数を急に計算する必要が生じたときにこの記事のことを思い出していただいてお役立ていただけると幸いでございます。
ところで、英語で「逆数」は「reciprocal」っていうんですね。いま知りました。
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